いつかこの世界のどこかで医学物理学研究を.....

医学物理学(生物物理学含む)に憧れて早20年超。何故か勉強が進まず苦悶する日々。いつか医学物理士の資格を取得して医学物理学研究に参加するという夢に辿り着くまでの日々を綴る。

日本の貧困とエリート教育

 動画サイトで昔、と言っても20年くらい前に聴いていた洋楽のPVをチェックしようとしたら、とあるNPO法人の広告が流れた。日本国内で学校、高校や大学に行けずに或いは中退しなければならない子供・学生達を支援するNPO法人の広告だった。自分はそれを視て不覚にも涙がこぼれそうになった。何と日本の子供の7人に1人が貧困層だそうである。

バブル崩壊時に高校を卒業し、父の職業が国家公務員だった自分は過去のブログにも書いたように、異常に恵まれた学生だった。それでも大学は首都圏ではなかったし、借りたアパートも周囲の学生が驚くほど安かった。自分は勉強プラスアルファの苦労、試練に耐え、社会に出ることが出来たが、高校を中退しなければならない学生は(自分に子供がいれば、高校生か大学生位の年齢の子が居てもおかしくない齢に達してしまった)その勉強の苦労、大学受験の受験競争にも参加できないのである。

自分はまだ海外で研究か、ビジネスで海外で研究開発や、大学院に進学する道を全く捨てた訳ではない。これは日本人として日本に生まれてきたのに、医学物理学という海外に先を越された学問分野を生業としようとするものの宿命だと思っている。恵まれている上にまだ海外か?と批判を浴びそうだが、日本のエリート校といわれる大学に入学出来た時点で、本人が嫌であろうが何であろうが、日本の未来につながる就職や職業を選択しなくてはならないのである。

 ここに心の中で葛藤が生じる。恵まれていない学生達や子供達を尻目に自分だけいい気になるな、と自分自身さえ自分の進路に疑問を抱いてしまう。だが、ノブレスオブリジェである。身勝手な才能の使い方をしなければいいのである。手前味噌で申し訳ないが、散々普通の人が遭遇しないような危険な目や辛い目に会ってきた。エリートまで悪平等主義に染まっていて、自分は単に受験戦争の勝者だと、良い意味でのエリート意識がないのが日本社会の弱点である。自分は博士号、欧米で言うPh.Dを保持していない。

博士号=Ph.D保持者が良くも悪くも偉い、欧米型の競争社会が嫌いであるが、日本のエリートの低学歴ぶりには危機感を覚える。大学を卒業していない人間が国家公務員試験を受験して合格して大学を卒業せずに官僚になったりする。学生達も大学や大学院に入学するのが目的になってしまってそこで猛烈に学ぼうという姿勢の欠如が目に余る。エリートが猛烈に学ばなかった結果がここ30年の凋落であり、日本の貧困の原因を紐解いていくと、日本の大学に於ける教育環境の劣悪さに辿り着くのである。

医学物理学とビジネス、という一見相容れない2つの事象だが、海外が、世界中が欲しがる商品を研究開発出来なくなれば、もう日本という国に未来はない、と技術者の自分は考えるがおかしいだろうか?