いつかこの世界のどこかで医学物理学研究を.....

医学物理学(生物物理学含む)に憧れて早20年超。何故か勉強が進まず苦悶する日々。いつか医学物理士の資格を取得して医学物理学研究に参加するという夢に辿り着くまでの日々を綴る。

海外留学のベストな時期(年齢)

 その昔、20歳でやっと長い浪人生活が終わり、大学生になれた時、うすうす日本の大学って何か本気で勉強する場ではない、と直感的に感じた。むしろ大学受験に一時的に失敗した浪人生こそ必死になりふり構わず勉強しているイメージがあった。浪人生の時、予備校の同級生に「日本の大学の薬学部に(首尾よく)合格→入学できたら学部の高学年から海外の某国で生物学部に編入学したい」と語っていた自分。

 例外はある。医学部である。医学部の学生は確かによく勉強しなければ卒業できず、国試に合格できない。日本で大学に入学して、同じアパートの他学部の同級生つまり新入生達が勉強机を買わないのには驚いた。コタツで勉強していたようだ。

 だがこれは、日本社会の構造的な問題である。高校卒業あるいは大学入学まではギリギリと管理された生活を送り受験戦争に突入し、大学の学部の低学年つまり最初の2年間が終わると、就職活動、一部理系学部では午前は専門科目の講義、午後から学生実習が始まり研究生活がスタートする。だから大学の最初の1-2年くらい遊ばなきゃと学生本人たちも勉強しないし、周囲も大目に見るのである。実際、社会人として世の中に出た時に、アルバイト経験のない学生ってどうでしょう?

 だがそれがあまりに長く続きすぎた感がこの頃ある。特に大学院の教育体制がお粗末且つ不完全な我が国に於いて、海外留学で猛烈に学ぶ世界中から集まる優秀な学生と机を並べる経験は貴重であろう。奇妙なのは、最も競争の厳しいある大国の大学院から意外に優秀な研究者が生まれていないことである。自分の上司だったウイルス学者によれば、その国以外で大学院教育を受けた研究者達が活躍するそうである。ここに我が国の大学・大学院の改革を行う上での重要なヒントが隠されているような気がする。海外大学院留学は出来たほうがいい、が、本当に高額な学費を払えたり奨学金を勝ち取れる学生は少数である。英語を話し読み書きする能力はとても研究者にとって大切である。日本で自力でやれるところまでやった上で短期的に1-3年、海外留学するのがベストではないだろうか?学者になるつもりがないのなら、若い時に全てを犠牲にしてまで海外で博士号を取ることにどれだけ意味があるのだろう?或いは激烈に競争の厳しい海外の研究環境に身を置くことの意味は何だろう?自分は海外でも通用する研究者であるという自己満足と自己確認以上に何の意味があるのだろう?30過ぎたら日本に帰国して国の未来に自分の優秀さを役立ててもらいたいと考えるのは自分だけだろうか?

 結論として、20代でさっと数年間海外留学して、30過ぎたら日本に帰国するのがベストではないだろうか?長い学部生生活、その後大学院を30過ぎて卒業してやっと研究者としての激烈な競争が始まるような研究者という職業に、本当に子供や若者が憧れるのだろうか?これが競争が厳しすぎる某国から優秀な研究者が生まれない原因ではなかろうか?